「公務員は日本国籍じゃないと昇進できない」 こんな話を聞いたことはありませんか?実際はどうなのかお話いたします。
結論から申しますと、日本国籍でない方は地方公務員の管理職になることは難しいといえます。(国家公務員については受験自体出来ないことは前回お話致しましたね) これは「東京都管理職選考試験事件」(平成17年1月26日最判)という事件の最高裁判決によって明示されました。
この事件は東京都に採用されていた在日韓国人2世であるXさんが課長級の管理職になるための選考試験を受験しようとしたところ、日本国籍でないことを理由に受験を拒否されたという事件です。
そして判決では、地方公務員の管理職は公権力を行使する職務を行うため、「原則として日本国籍を有するものが公権力行使等地方公務員に就任することが想定されている」「外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは、本来我が国の法体系の想定するところではない」とし、日本国籍でない事を理由に管理職の選考を拒否しても違法ではないことを判示しました。
この判決には反対もあり、今後はどうなるか分かりませんが現状では外国籍で管理職に就くことは難しいということです。
まとめ
この事件だけでも日本は外国人にはやさしくない国だということが感じられます。特に本国に思い入れがないのであれば、日本で生活するうえでは日本国籍を取得したほうが困ることは少なくなるかと思われます。