帰化の申請が許可されると官報に帰化前の氏名と生年月日、現在の住所が載せられるのですが、最近このようなお問い合わせがありました。
「私の名前は珍しいので官報に載れば帰化したことが知られてしまうのではないか」
「ずっと残るものなので特定されたりしないか」といったものでした。
そもそも官報とは政府や各府省が国民に広く知らせるために発表する公文や公告、会社法による法定公告等の記事が掲載されているもので簡単に言うと政府からのお知らせです。
特定の人に向けたものではないのでいつでも誰でも見られるようになっていて、インターネット版の官報ならスマホでも手軽に見ることができます。
知られたくない場合はどうすればいいのでしょうか
まず、官報に載せられる情報についてですが、確かに氏名・生年月日・住所が載せられますが氏名については帰化前のもので通称名ではありません。本国の名前です。
したがってそもそも国籍を隠しておられるなら名前だけでは分かりません。
それでも「住所と生年月日から推定される」とご心配でしたら、実際にインターネット官報をご覧になってみてください。
住所と生年月日と外国人の名前が順不同で(おそらく許可した順番なので都道府県や生年月日によって整理されて並んでいるわけではありません)ずらずらと並んでいて興味のない人には全部見る気にはならないものです。しかも官報に記載されるものは帰化以外にもたくさんあります。
つまり何が言いたいのかというと、探そうと思っても「許可された年月日、帰化前の氏名、生年月日及び申請時の住所」が分かっていないと探すのは非常に困難だということです。
ましてやたまたまご近所の方や知人が官報を見て帰化を知るような事はないと思われます。
それでも、どうしても個人情報が載ってしまうことが心配な場合は申請時に名前を変えたり、申請が許可された後に引っ越して住所を変えたりするなどの方法が考えられます。
ただし昔からの知り合いにはなぜ名前が変わったのかと思われるかもしれませんが…
(通常なら下の名前を変更するためには家庭裁判所で手続きしなければなりません)
結論としてはあまり気にされる必要はないかと思います。
前述の通り情報を得た上で特定する意思を持って探さないと分からない事ですので。